【フィリピン移住20年が教える】一ヶ月の生活費をエリア・生活スタイル別に徹底解説!

「フィリピンへの移住を考えているけれど、一ヶ月の生活費がどれくらいかかるのか、予算でまかなえるか不安 😥」

「フィリピンで生活することになったけれど、家族で生活するのに平均どれくらい生活費をみておけばよいのかな?」

新しい国で生活を始めるのはワクワクします。その一方で、お金がどれくらいかかるのかはとても不安になりますよね?

私も、フィリピンで生活を始めたばかりの20年前は、これからこの国でちゃんとお金を稼ぎながら生活していけるのか、とても不安でした。

20年前のフィリピンではネットにも情報があまり上がっていなくて、足りるか足りないかは手探りの状態で、試行錯誤の繰り返しでした。

何も調べずに現地にただ来てしまったあとでお金が足りなくなって困るのは避けたいですよね?

そこで、フィリピンに移住・生活をしようとしているみなさんが困らないように、一ヶ月でかかる生活費の相場や、平均的な生活費の内訳、人気のマニラ・セブエリアに加えて、郊外の田舎での生活費の違いまで含めて、在フィリピン20年の経験と知識をふまえて、まとめてご紹介したいと思います。

円安の状況を踏まえた、2024年3月最新版です。

この情報をもとに、みなさんが楽しいフィリピン生活を不安なく送ることができるうようにしっかり解説したいと思いますので、最後までどうぞお付き合いください m(_ _)m

この記事を書いたのは

モータクモー

筆者「モータクモー」のプロフィール

・フィリピン在住20年

・フィリピン、バタンガス州アニラオでダイビング宿を○年経営

・海外書き人クラブ所属

目次

フィリピンでかかる一ヶ月の生活費の相場はいくら?

フィリピンではどれくらい生活費がかかるのでしょうか? 一ヶ月の生活費の相場について、単身者と既婚者にわけてお伝えします。人気移住先別に生活費もまとめてあるので、まだ移住先が決まっていない方も移住先を決める参考にしていただけますよ。

目安は単身者10万円

フィリピンで一ヶ月にかかる生活費、単身者については10万円が目安です。キリがよくて、一つの目安になりますね!

以下で詳しく記載していきますが、だいたい固定費7〜8万円。変動費が2〜3万円といった内容です。

この相場が該当するのは、人気のセブエリアとその他の地方都市です。首都であるマニラは物価が全体的に高めで、15万円を目安にするのが良いでしょう。

人気移住先の一ヶ月の生活費(単身)
  • セブ  9~11万円
  • 地方都市(例ドマゲッティ) 7〜9万円
  • マニラ  13~15万円

単身者で、仕事メインな方は10万円。上記には娯楽費が含まれていないので、週末観光したいならプラス2万円で、セブエリアなら11〜13万円程度あると良さそうですね!

既婚者は20万円

パートナーとお子さん一人の3人家族の場合の、一ヶ月にかかる生活費の平均は、約20万円です。こちらも、人気のセブエリアでの場合です。首都圏マニラでは25万円が目安です。

だいたい固定費が14〜16万円。変動費が2〜4万円といった内容です。

人気移住先の一ヶ月の生活費(3人家族)
  • セブ  18~22万万円
  • 地方都市(例ドマゲッティ) 16〜18万円
  • マニラ  23~27万円

お子さんの年齢によってかかる教育費は変わってきますが、年齢が小学生〜中学生くらいまでで、地元の私立学校で学習するプランで計算してみました。

フィリピンの一般庶民の間では習い事は一般的ではありませんが、外国人の多く住むマニラなどのエリアでは、アート、テコンドーなどの武術、中国語やフランス語などの語学、ダンスなどの習い事を選ぶことができます。一つの習い事で、だいたい一ヶ月1〜2万円です。

お子さんに習い事をさせる場合は、20万円プラス2〜5万円を見ておきましょう。

フィリピン一ヶ月あたりの生活費の平均的な内訳は?

フィリピンで一ヶ月に生活する際の平均的な内訳を、単身者を例にとって説明したいと思います。各項目を詳しく見ていくことで、フィリピンでの生活がより具体的にイメージできるようになりますよ!

家賃

ここではコンドミニアム(現地通称コンドミ・コンド)の物件相場を紹介します。単身者用ですので、スタジオタイプか、1LDKの間取りです。

相場だと、4〜10万円で借りることができます。

セブエリア
4~9万円

マニラエリア
6~10万円

家具が備え付けで準備されていて、入口にガードマンがいてセキュリテイも高め、レセプションがあり宅配荷物の受け取りや部屋のメンテナンスの依頼もできて、小さなプールやジムもついているのがコンドミニアムタイプの賃貸物件です。

セブエリアで、4〜9万円くらい。物価高のマニラでは、少し上乗せして6〜10万円が相場だと思っておけばよいでしょう。

日本でいうと一部の高級マンションにしかない設備が4~10万円で借りられるという意味では、お得と感じるかもしれませんが、生活費の中で最も多くの支出をしめているのが家賃になります。

相場である4〜10万を目安に、安全で快適な良い物件を探してみてくださいね!

水道光熱費

ここでは、水道代(飲料水代も含む)・電気代・ガス代の水道光熱費について説明したいと思います。ざっと計算して、6,700〜8,800円です。

水道代 500~1,500円
飲料水代 1,200~1,800円

フィリピンの水道料金は、水道代と飲料水代を合わせると1,700〜3,300円程度です。それほど負担になる額ではありません。

水道代が安い理由の一つには、湯船に湯をはって風呂にはいれる物件がほとんどなくて、毎日シャワーですむ点、もともとの水道料金が安めな点があげられます。

飲料水代がかかるのは、日本以外の他の多くの海外の国と同様、蛇口から出る水は飲めないためです。口に含んで変な味がするほどの品質ではないですが、現地フィリピン人でも、かなりの生活困窮者でない限りは飲料水を買っています。

飲料水は5ガロン(約19リットル)で120円程度。完全自炊でとして、一ヶ月15ガロンと見積もって、1,800円です。

お腹を壊さないためにも飲料水も必ず念頭に入れて、1,700〜3,300と水道代は見積もるようにしましょう。

電気代 5,000円

フィリピンの電気代金は割高です。生活する中でもっとも電力を消費するのがクーラー(フィリピンではエアコンと呼ばれていますが、冷やす機能のみで、温める機能は当然ついていません)。首都部の30階を超えるような高層コンドミニアムによっては、窓がほとんど開けられずに、在宅中ずっとクーラーをつけていなければならないものもあり、そういった場合の電気料金は1万円を超えますので、注意が必要です。

私が借りているマニラのコンドミの部屋は29階。ベランダが開放されている物件ですので、日中は窓を開けて扇風機を利用。夜寝苦しいときは窓をしめてクーラーをつけるようにして節電しています。

ガス代 500円

多くのコンドミでは、火災防止のためガスの使用は禁止されていて、IH調理器が付属しています。そのさい、ガス代は計上しなくて結構です。日本のように都市ガスがパイプ街中に供給されているわけではないので、ガスを使う場合はガスボンベを買ってきて、ユニット内に運び入れてコンロにつなげて使用します。

「昭和」な私たち夫婦はいまいちIHが苦手で、借りているコンドミニアムの部屋はガス台使用禁止にもかかわらず、内緒でガスボンベを運び入れて料理に使っています。11キロのタンクで2,000円程度。料理をする頻度にもよりますが、4ヶ月はもっているので、一ヶ月500円で計算しました。

食費 3万円

ここでは、セブ・マニラエリアの単身者の食費の相場について見ていきたいと思います。3万円と見積もってみました。衣食住のなかで、住についで大切な、体を作る食。和食レストランに現れるよくあるタイプの日本人単身者の様子もわかるようにご案内したいと思います。

3万円は、社食を含んだ外食メインで、お酒は飲まない計算です。健康的な食事につながる自炊も推奨したいところですが、一人分だけを作るのは逆にコスト高になるのと、仕事をしながらだと、日本のようにスーパーマーケットが通勤路上にあまりなく、食材の買い物もしにくいこともあって、完全自炊の単身者は実質少ないのが実情です。

社員食堂(現地ではカンティーンと呼ばれています)のついている会社で、現地人と同じようなメニューでよければ、1食300円程度。日本食レストランで定食を頼むと日本とほぼ変わらない800〜1,200円必要になります。

ビールはレストランで飲むと小瓶(350ml)1本300円程度。スーパーで買ってきて自宅の冷蔵庫で冷やすと1本150円くらいです。この部分はまだまだ日本より安いですね。

いわゆる和食レストランで、一人でこられている日本人駐在員さんを見ると、定食または丼物にドリンクなしか、あってビール1本くらいが多いです。あとは家飲みをしてドリンク代を削減しているのだと思います。

外では飲まずに3万円。これが単身者食費の相場です。

交通費 4,000円

ここでは、フィリピンで生活する上での交通費について説明したいと思います。雇用形態や学校までの距離によりけりで、一概にはいえないのが難しいところですが、遊びに行くときに使う交通費ということで4,000円としました。

日本から会社で派遣されている駐在員さんの場合、通勤に使う車と運転手(運転手付き!)の経費は会社持ちであることがほとんどで、実質通勤にかかる交通費はありません。時間外や休日に会社の運転手付きの車を使う場合の規定は会社ごとに異なります。

仕事や学業で滞在する場合は、職場や学校まで徒歩圏内に部屋を借りることが圧倒的に多いので、通勤・通学時よりは、買い物・遊びに行く際の交通費がかかるという感じです。

日本人が頻繁に使う乗り物は、セブやマニラなどの都市部では、
 1位 Grab(配車アプリ)のタクシー
 2位 タクシー
 3位 Angkasなど(配バイクアプリ)のバイクに二人乗り
が圧倒的で、
 4位 マニラ限定のLRT・MRTなどの高架鉄道
 5位 ジープニー
 6位 ミニバン
を使う人は、極々少数です。

 7位 バスは長距離の旅行には使えますが、日々の市内移動に使う日本人はまずいません。
 8位 トライシクル は、都市部のダウンタウンや郊外では使います。
 9位 ペディキャブ は、マニラに長い日本人でも人生に一度乗るか乗らないかです。私は20年フィリピンに住んでいて、1度だけ使ったことがあります。

日本人に馴染みの深いタクシーを例にとって説明しますと、初乗りが110円。1キロごとに35円。5キロ先まで乗ったとして、300円。同距離を東京で乗ると1,770円ですので、日本人の感覚だとかなり気安く使えるお値段です。

一方で、通情のタクシーにはカーナビがついていないのが一般的で、ドライバーも運転ができるだけで道に特に詳しいわけではないので、右いけ左いけと指示を出すのが面倒くさいのと、メーターが壊れていて乗った後に降りてまた違うタクシー探さなければいけなくなるケースがいまだにあることを考えると、1.5〜1.7倍ほどの割増になりますが、乗車場所と行き先が指定できて、必ずスマホでナビもついているGrab(配車アプリ)のタクシーを使うことが、私は多いです。フィリピン在住が長いからこそ、タガログ語はできてもタクシードライバーとの無駄なやり取りをしたくなくなるものなのです。

通勤や通学には実質交通費がかからないのが一般的。遊びに行くときの交通費として4,000円程度を考えておきましょう。

通信費

ここでは、フィリピンで生活するうえでかかる通信費について説明していきます。ざっくりで、スマホ通信料と家につけるインターネット代金で合計4,500円です。

今やフィリピンでもスマホは必須。インターネットにつながっていないスマホは文鎮にもなりません。スマホのネット料金、家につけるWifiの料金をそれぞれ説明していきます。

スマホ・携帯代 1,000円

一般のフィリピン人のほとんどは、プリペイド式で通話料を「ロード」してスマホを利用しています。短期滞在の外国人も同じです。

一方、長く生活する日本人は、日本でもおなじみのポストペイド(月に一度請求書が発行されて支払う)方式で通話・データ料金を支払っています。

ただし、ポストペイドの申し込みには、給料明細他多くの書類が必要で、申請が通るまでの時間も読めずに、取得に苦労します。私が新規にポストペイドプランに申し込んだ15年前は、3ヶ月経っても許可が降りず、最終的には日本のNTTからフィリピンの通信企業に副社長として出向してきていた駐在員さんに口を利いてもらった翌日にすぐに許可されるという、上からの圧力に弱いフィリピンの実例をまさに体験する形での、ポストペイドプラン入手でした。

プリペイドには、〇〇日通話し放題、〇〇日データ使い放題、Facebookだけ見放題などの様々なプランがあります。今の御時世では、通常の電話をかける必要はほぼなくてLINEやFacebook MessengerなどのSNS経由での通話・連絡で事足りますので、データ使い放題のプランをつかって、月1,000円位が妥当でしょう。

ちなみに、私はデータ無制限のポストペイド方式を月2,600円ほどで使っています。

インターネット代 3,500円

住居用の光ケーブル25メガ程度の速度のサービスが、最大手のPLDTのプランで約3,500円です。モデムとWi-Fiルーターを兼ねた端末が支給されます。スタジオタイプなら一台でユニット全体に電波が行き渡って十分です。

以上、フィリピンで生活するのに必要な通信料金の相場、4,500円のご紹介でした。

日用品代 5,000円

ここでは、洗濯洗剤やシャンプーなど、生活に必要な日用品の予算を5,000円で紹介します。

洗濯洗剤、シャンプー、トイレットペーパー、虫よけスプレーなど、生活に必要な細々としたアイテムも必要です。残念ながらそれらの多くはフィリピン国内では生産していない輸入品で、日本で買うのとそれほど価格は変わりません。

日本の一人暮らしの日用品の予算とほとんどかわらない、5,000円は見積もっていたほうが妥当です。

その他

男性でしたら、1ヶ月から2ヶ月に一度は髪を切るでしょう。町の床屋で300円~600円。田舎の椅子と鏡だけあるような床屋で150円~。美容院でたとえば、25年以上の歴史と各地に支店を持つ、イギリス人オーナー美容師の経営するDavid’s Salonでのヘアカット代金は、900円~1,400円です。

交際費としてフィリピンで面白いのが、「誕生日を迎えた人がまわりに振る舞う」というのがあります。人に祝ってもらう日本とは逆ですね。

日本人駐在員さんの誕生日も、どこから漏洩したのかわかりませんがもれなく部署の人間にバレていて、下手をすると家族より先に ”Happy Birthday “ (❃´◡`❃)なんて、なにか頂戴アピールをされます。

ピザやスパゲッティなど、甘くてオイリーな炭水化物とコカ・コーラが何より好きですので、そういう予算も自分の誕生月には用意しておきましょう。

セブ島?マニラ?住む場所、求める質による平均生活費

住むエリアや求める生活の質によって、生活費は大きく変動します。ここでは、留学先として人気の高いセブ、ビジネスパーソンなら避けられないマニラを中心に、それ以外のエリアも加えた平均的な生活費を紹介します。

マニラ、セブ、その他のエリアで異なる生活費

マニラ、セブ、その他では、生活費が異なります。

フィリピンの生活費も、日本と同じように、都市部の方が高く、地方の方が安いです。

日本人の多くは仕事や学業の関係上、マニラかセブのいずれかに住むことが圧倒的に多いので、マニラ、セブ、その他で比べていきます。

セブで10万円の生活をすると仮定したときには、

  • セブ:10万円
  • マニラ:14万円
  • 地方:8万円

程度の比率となります。

マニラは、セブよりも物価が高いため、日常を過ごすためのコストが底上げされます。

地方は、セブよりも家賃が安いため、生活費の大半を占める家賃の部分が特に押さえやすいです。

地方に住む方は、フィリピン人との結婚を機にご実家近辺に住まわれることが多く、いきなりなんのツテもない方が移住するには、セブ・マニラには多数いる不動産仲介業者が少なくて、家探しのハードルが高くなります。

そこそこ便利が良くて生活費を抑えたい方は、セブ
大都会マニラでビジネスのチャンスをものにしたい方は、マニラ
フィリピン人と結婚されて周りに知り合いがいるのであれば、地方といった形で選ばれると失敗しなさそうですね!

マニラ・セブが人気の理由

日本人が生活をするうえでマニラとセブが人気な理由について考察してみます。これを知ることで、それぞれのメリットがわかり、それ以外の地方都市に住むときのデメリットについても理解できますよ!

マニラとセブが人気なのは、

  • 職場や学校の最寄り
  • ガードマンのいるコンドミニアムやヴィレッジが選べる
  • タクシーなどの使いやすい交通機関がある
  • 日本食材へのアクセスがよい
  • 日本人会の事務所(図書室や診療所併設)がある
  • 空港へのアクセスが良い
  • 病院へのアクセスが良い

などの理由からです。

それ以外の地方は、家賃は安く押さえられますが、上記少なくとも7点のメリットが受けられなくなります。フィリピン人と結婚する場合は、その親のいる地元に家を借りる・建てることがおおいので、上記メリットがなくても、家族と一緒にいられるという大きなメリットを、メリットとして感じられるようでしたら、フィリピンの親戚とも長く幸せに付き合っていけるでしょう。

アパート?コンドミニアム?学生寮?求める質によって異なる生活費

本当に永住する場合を除いては、一戸建て家屋を建てるより、賃貸の物件に入居することの多いのが日本人です。住む物件の種類によって、家賃は大きく変わり、結果、一ヶ月で必要な生活費にも大きな変化が出ます。賃貸物件をランクの高い順に表にしてみました。

物件の種類家賃ガードマンプールトイレシャワー
ビレッジ内一戸建て40万円~ ビレッジ入口にあり物件による通常温水
高級コンドミニアム20万円~ ありあり通常温水
語学学校の学生寮 学費込み13.5万円ありあり通常温水
平均コンドミニアム8~12万円 ありあり通常温水
リーズナブルコンドミニアム5~7万円あり物件による通常温水
アパート2~3万円なしなし手桶・便座なし
長屋1~2万円なしなし手桶・便座なし

一般的な日本育ちの日本人にとって違和感が少ないのは、リーズナブル・平均コンドミニアムと語学学校の学生寮になります。日系企業の出向者は、セキュリティの問題から高級コンドミニアム住まい、借り上げたホテルなどを指定されていることが多いです。

セブ島の一ヶ月の語学学校に通う学生の生活費

セブ島の州都、セブシティ周辺での一ヶ月の語学学生の生活費は、約14万円です。

家賃 13.5万円
水道光熱費 家賃に込み
食費 休日の外食5,000円(省略可)
通信費 スマホ用プリペイド1,000円(省略可)
交通費 徒歩圏内のため、基本必要なし。週末遊びに行くなら、2,000円
日用品代  備え付けであるので、基本必要なしその他 1,000円

合計 13.6万~14.4万円

マニラの一ヶ月の生活費

マニラでの単身者の一ヶ月の生活費は112,700~154,300円です。

家賃 6~10万円
水道代 500~1,500円
飲料水代 1,200~1,800円
電気代 5,000円
食費 3万円
通信費 スマホ・携帯代 1,000円
インターネット代 5,000円
交通費 4,000円
日用品代 5,000円
その他 1,000円

合計 112,700~154,300円

郊外の一ヶ月の生活費

郊外の単身者の一ヶ月の生活費は、62,700~94,300円です。

家賃 2~5万円
水道代 500~1,500円
飲料水代 1,200~1,800円
電気代 5,000円
食費 2万円
通信費 スマホ・携帯代 1,000円
インターネット代 5,000円
交通費 4,000円
日用品代 5,000円
その他 1,000円

合計 62,700~94,300円

生活費の節約方法

フィリピンで生活をするうえで、生活費を節約する方法を考えたいと思います。最も比率の高い部分を切り詰めるのが効率の良い節約術なので、家賃を下げたいところですが、住居の価格低下はセキュリティの低下をも意味するのがフィリピン。オススメできません。

それでは、何ができるの?ということで、3つご案内します。

  • 自炊をする
  • ローカル市場の活用
  • 交通機関の利用

自炊をする

あまり選択肢がないところでできる節約術といえば、自炊です。ただし、仕事をしながら毎日買い物をして食事を作るのでは大変なので、休日に買い物をして作り置きをするという、伝説の家政婦タサン志麻さん並のスキルが求められそうな努力をする必要があります。家事能力をスキルアップしたい、料理が上手で手早くて素敵と言われたい!という希望のある方は、是非挑戦して、節約の上に人生に役立つ技術も身につけてください。

普通のフィリピン人が食べているお米はいわゆる長粒種で、日本で「タイ米」と呼ばれているものに近いです。マニラやセブでしたら、フィリピンで生産されている短粒種の日本米に近いものも一般のお米よりは高いものの、日本から輸入した米よりは安く手に入りますので、日本食に合わせる米として利用できます。私たち夫婦がよく使うものとしては、Sasanishiki(日本のササニシキではないです)が2キロ袋で約800円です。日本の最新のお米のようなもっちり感はないですが、フィリピンに長い私たちにはむしろこのくらいのシンプルなお米のほうが合っています。

ペソ円換算で100円均一ではないもののDaisoもマニラにはありますので、基本的な調理道具は手に入ります。一人暮らし用にあったら便利かなと思ってフィリピンで手に入りにくいのは、レンジで米が炊けるレンジ炊飯器でしょうか。

日本でおなじみの豚こま肉などの、薄切り肉は日系と韓国系スーパーで割高な値段で取り扱いがあるくらいで基本手に入りません。かといって肉用スライサーを自宅に揃えることは考えにくいですから、豚の生姜焼や豚汁、牛丼、肉じゃがは作りにくいです。一方、ブロック肉は簡単に手に入りますから、カレーやシチューを作るのは問題ないですね。

節約術の一つ、自炊ですが、ただ節約のため以上に、「料理って楽しい! 自分で一皿ってなかなかいけるではないか」と楽しみながらやるのがオススメですよ。

市場の活用

自炊と関係しますが、スーパーマーケットより地元の市場(マーケット)での買い物がオススメです。野菜などは半額程度の価格で購入できる一方、フィリピン人が一般的に食べない、レタスなどのサラダになる葉物野菜は手に入りにくいのが欠点です。それでも、ジャガイモ、ニンジン、タマネギなどの基本野菜は手に入りますので、カレーや煮物など、作り置きが可能なメニューの多くは、工夫次第で準備可能です。

マニラだと、日本人の多く住むマカティ市の隣のパサイ市にあるカルティマール(Caltimar)市場がオススメです。日本食レストランの多くが仕入れをする市場で葉物野菜も豊富。日系企業の駐在員の奥様グループも歴代導入ツアーを組むなどして愛されています。日本食材店も老舗3軒、新しい店が4軒ほどと一軒に在庫がない調味料でも他で見つかるなど潰しが効きます。

セブエリアですと、セブ最大のカルボン(Carbon)マーケットがおすすめです。

見慣れない南国の野菜がいくつかあります。野菜については拙著『フィリピンの野菜: 市場で迷わない80種の野菜ナビとレシピ40種』もどうぞご参考にしてください。

衣・食・住で2番目に比率の高い「食」の支出の比率を、地元市場の活用で賢く小さくしちゃいましょう。

交通機関の利用

路線がわかりにくい、支払い時に現地の言葉がわからないとすんなりいかない事がある、などの不便もありますが、価格でいうとジープニーを利用するのが交通費を大きく下げる一手となります。

初乗り4キロまで15ペソ(約40円)は、タクシーの半額以下です。路線マップが存在せず、頼りになるのはジープニーのフロントガラスに吊るされている〇〇行きという行き先のみです。現地人でも地元民でないと、どこを通って目的地にいたるのかわかりません。日本のバス停のように、ここで待っていれば〇〇行きのジープニーに乗れるというシステムもなくて、基本手を挙げると止まって、車内で「パーラー(止めて)」というとその場で停まります。

最初は知り合いなど、路線を知っている人と一緒に乗るのをオススメします。

タクシーを使うより確実に時間はかかりますので、時間との戦いが常日頃の日本人には、なかなか手が出ない乗り物でもあります。ただでさえ渋滞の多いマニラ市内で、エアコンの効かないジープニーの中から、よく見えない小さな窓で外を見つつ降りる場所の確認をしながら、次の乗り換え箇所まで思いを巡らせる苦労をするくらいなら、Grabタクシーを使ってルートを確認しながらエアコンで涼みつつ車内でPCワークをする、というのが私のフィリピンでの処世術です。

タクシーよりは不便で慣れるのに時間がかかりますが、交通費を下げられるジープニーの利用、交通費の削減の一助として、一度はチャレンジしてみましょう。

生活費に関する注意点

朝起きて、ご飯を食べ、会社や学校に行き、買い物をして食事をしてシャワーをして寝る、という平安な日常生活にかかる費用の他に、不測の事態にかかる経費について、フィリピンで生活するうえで必要なことがあります。ここでは2つ、医療費と滞在許可証(ビザ)にかかる費用について説明します。どちらも日本で生活する際には大きな問題にならない事柄ですが、こと外国で暮らすには必要なことですので、忘れないようにしましょう!

フィリピンは医療費が高額

国民健康保険があって、難病に対する支援も用意されている日本にいると気がつきにくいですが、他の多くの海外と同様、フィリピンでは健康保険が一般的ではありません。仕事についている人はPhilHealthという健康保険に加入できますが、それでも、政府負担1割、自己負担9割と、かなり多くの負担を強いられます。

これまで何度か病院にかかっていますが、日本での医療費全額負担と同じか、それより少し高いくらいの治療費が必要になります。血液検査と胸部レントゲンの基本的なチェックアップで1万5千円ほど請求されます。

薬も全額負担なので、高コレステロールや高血圧など一般的な持病がある方は、医師の処方する薬を全部買い揃えるだけで月額2万円程度必要になります。多くのフィリピン人の家庭ではとてもまかなえる額ではないため、健康診断をしない、薬も買わないということがおきて、結果国全体としての平均寿命が70.4歳(2020年の世界保険機構データ)と、日本の84.3歳より短くなっています。ちなみに、世界の平均寿命は72歳ですので、フィリピンは平均値以下であるともいえます。

病気になりにくい健康的な生活を心がけることも大切ですが、万が一の病気に備えて、私設の海外保険に加入しておくか、急病の際に支払える預金能力を供えておくかが必要になります。

フィリピンでは医療費が高額になることを忘れずに!大病の場合は、迷わず日本に戻っての治療をオススメします。

合法的に滞在するのにもお金がかかる ビザ(査証)とACR I-Card

外国人がフィリピンに滞在するとき、滞在理由を認められて入国滞在することになります。それがいわゆるビザ(査証)で、取得、延長、維持するのに費用がかかります。

30日まででしたら、無査証短期滞在ができますが、31日以上滞在する場合には、観光、就労特別永住などのビザが必要になります。それぞれ準備する書類や費用が異なります。また、一旦取得した後も、年間費がかかるビザ(特別永住)、短期しか延長ができない(観光ビザ)ので延長する事に費用がかかるものもあって複雑です。日本人滞在・移住者に一般的なビザを中心に、全ビザを紹介する記事を別途用意しますので、詳細はそちらを参考にしてください。

また、ビザの他に、60日以上滞在する外国人はACR I-Card(the Alien Certificate of Registration Identification Card=外国人在留カード)が、さらに就労する人にはAEP(Alien Employment Permit=外国人就労許可証)の発行手数料も必要になります。企業で働く場合は会社が負担してくれるのでそれほど気になりませんが、個人で事業をされる方には本来必要になるものですので、ビザと各種許可証にかかる費用と、申請にかかる時間と労力(けっこう大変です)は念頭に置いておきましょう。

私がもっている、特別永住権査証(Special Resident Retiree’s Visa:SRRV)でSRRV保持者用のIDの更新料金が年間5万4千円と、もう少し出せばプレステ5が毎年買えてしまえるけっこう痛い金額。奥さんのもっている、年間国ごとに新規50人しか認められない特別割当移住査証(Quota Immigrant Visa)で、毎年一回のアニュアルレポートに900円ほどと安いですが、海外に出国するたびに支払うトラベルタックス(約4,320円)と、頻繁に海外に出る場合には負担になる金額が発生したりします。

日本で住んでいると見落としがちな、ビザと各種許可証の登録維持費も、ぜひお忘れずに!

フィリピンに移住を考える際のメリットデメリット

フィリピンで生活をする人の中には、長いスパンでの移住を視野に入れている人もいるかも知れません。選択肢として捉えているくらいですので、色々とすでにお考えのことと思いますが、実際に20年住んでみての、移住することのメリット、デメリットを実体験を元に紹介してみたいと思います。

移住するメリット

移住する時のメリットを5つ紹介します。

  • 気候が年間を通じて温暖
  • 人々がとにかく明るい安村
  • 海外とはいえ、日本に比較的近い
  • 日本人に敵対的ではない
  • 日本の良さが身にしみ、守りたいと思える

1. 気候が年間を通じて温暖

もはや40年近くと私以上にフィリピンに長く住んでいて、私以上に嫌な経験をたくさんしたことのある奥さん曰く、「フィリピンでいいのは気候と黄色い果物(マンゴー・パパイヤ・バナナ)だけ」というネタ的格言にもあるとおり、年間を通じて温暖です。

一年中半袖短パン、ビーチサンダルで過ごせるというのは、衣服にこだわりがない私にはまさに天国です。

日本人の多くが悩む、花粉症もありません。

冬場は乾燥してインフルエンザが流行る日本とは違って、ある程度の湿度が保たれているフィリピンでは、学級閉鎖になるような流行はみられません。

2. 人々がとにかく明るい安村

日本は社会全体が生真面目で、規範から外れないようにと緊張しているなぁと、たまにフィリピンから日本に戻ると思います。道を歩いていても、無駄にニコニコしている人とはそれほど会いません。その一方で、フィリピンでは、どこでもフィリピン人が楽しそう。店の売り子も店内BGMにあわせて歌っていたり、日本だったら「不謹慎」が、ここでは誰もとがめないおおらかさがあります。

フィリピンの「緩さ」が気に食わない人には、大いなるストレスとデメリットになることですが、許容できる人には、大いなる学びと安らぎになります。

3. 海外とはいえ、日本に比較的近い

中東やヨーロッパ、アフリカと比べて、日本まで飛行機で4時間と少しの距離は、外国としてはかなり近い部類だと思います。帰りたいときに帰れる気安さと、距離の近さから日本食材も手に入り易いです。日本との時差も1時間と、LINEで直接会話するときにもそれほど相手の時間を考えなくてよいのがまた良きです。

4. 日本人に敵対的ではない

戦争で多大なる迷惑をかけた歴史がある一方で、許す(気にしないともいう)文化もあるフィリピンでは、日本人は概ね好感をもって受け入れられます。これは、似た風貌の中国人と韓国人より、日本人が概ね穏やかで礼儀正しく、それほどフィリピン人を下にみない行動様式も影響していると思います。

私は韓国人やベトナム人に見間違えられることが多いのですが、日本人だというと「コンニチハ」など、知っている日本語で挨拶してくれる人もいます。

ドラゴンボールやスラムダンク、ナルトにドラえもんなど、日本のメジャーなアニメはフィリピンにも紹介されてかなり普及しているので、アニメネタで盛り上がれる、同士たる民族でもあります。

5. 日本の良さが身にしみ、守りたいと思える

医療にしろ、社会の利便性にしろ、長い歴史に裏付けられた文化にせよ、治安の良さにせよ、日本には世界に誇るべきものが本当にたくさんあります。そういった日本社会を生み出した精神性や気遣いは、フィリピンに長く住んでいるからといって、決して忘れてはならないことだと、海外にいるからこそ強く思います。

移住するデメリット

移住するときのデメリットを3つ紹介します。

  • お安い国ではない
  • 医療へのアクセスが心配
  • 老後の財源をどうするか悩まなければならない

1. お安い国ではない

昔のイメージであった、フィリピン=安い国ではもはやないです。若年層が多くて人口ボーナスが見込める国だと、経済発展を推す人もいますが、投資家であるならまだしも生活者としては、ただ物価が上がり続ける恐ろしさしかないです。

フィリピンに長くいるからこそ、日本っぽいものもたまには食べたくなる私たち夫婦が日本食を食べると、自炊にしろ外食にしろ、日本にいるときより割高になります。かつ、高い金額を出しても、大したレベルのものしかないというのも悲しいところです。

寿司でいうと、マニラのかなり高級な寿司屋が、日本の回転寿司のレベルに負けるくらいの格差です。これは、同じ東南アジアでも、日本クオリティの和食がお金を出しさえすれば味わえるタイやシンガポールとは現状のフィリピンが異なる部分です。

2. 医療へのアクセスが心配

脳梗塞や心疾患など、火急の医療処置が必要な病気になった場合、フィリピンにいたらまず助からないと思ったほうが良いです。多くの一般的なフィリピン人は、このあたりはもとより助かろうとほぼ求めていないので大きな社会問題になっていませんが、「日本だったら助かった」という急性の病気はフィリピンではかなりの数に上ります。

急性の病気ではないけれど、長い治療が必要な腎臓疾患やがん治療も、保険がないので実質無理です。移住日本人のなかで高齢者は二通りに分かれます。たとえば75歳を超えたくらいで、日本に戻り日本の医療制度にお世話になる派と、フィリピンに残って高度な医療は求めないでその時が来たら天に召したい派とにです。私たち夫婦のケースで行くと、奥さんは前者。私は前者と後者どちらでも幸せを感じられていればいいかなぁといったところです。

3. 老後の財源をどうするか悩まなければならない

フィリピン国内で企業に就職(自営業でも)していた場合は、年金を受け取れる可能性はあります。しかし額は大したことがない(個人事業主をしていた義父で1つき1万円程度)ので、フィリピンの年金で生活を賄うことはできません。貯蓄や事業、投資による収益など、歳をとっても頼れる財源が必要になります。

海外にいても日本で年金を払い続けていて、給付可能な年齢になったところでもらいつつフィリピンで使うという道もありますが、日本とフィリピンの生活費差は年々縮んでいますので、日本の年金のフィリピンでの「使い出」は小さくなっていくのは確実で、悩ましいところです。

以上、移住に際してのメリット・デメリットを、20年の生活実感をこめてまとめてみました。

まとめ

以上、フィリピンで一ヶ月でかかる生活費の相場や、平均的な生活費の内訳、人気のマニラ・セブエリアに加えて、郊外の田舎での生活費の違いまで含めて、在フィリピン20年の経験と知識をふまえて、まとめてご紹介させていただきました。

簡単にまとめると、

  • フィリピンでの一ヶ月の生活費は10~27万円
  • 内訳で一番高いのは家賃
  • 節約できそうなところは食費と酒代、交通費
  • 移住時には医療費と年金に注意
  • 温暖な気候と明るい国民性は移住先として◎

です!

一ヶ月の生活費
セブマニラその他地方
単身9~11万円13~15万円7~9万円
3人家族18~22万万円23~27万円 16~18万円
利便性
こんな人にオススメそこそこ便利が良くて生活費を抑えたい方ビジネスチャンスをものにしたい方フィリピン人と結婚されるなど周りに知り合いがいる方

フィリピンに移住・生活を考えている皆さんのお役に立てれば幸いです。

「こういったことも知りたい!」「これについてはどうなの?」などの疑問がありましたら、どうぞ問い合わせフォームでご連絡ください。ニーズの高いものからまとめて記事にしていきたいと思います。

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